<< 基礎現場の丸いもの? 建物に仕掛けられた“トラップ” >>

遣り方

暑いですね。
梅雨が明けて夏本番。
すっきりとしないジトジト空に別れを告げて、気持ちのよい青空が広がります。

今日は、基礎工事における“遣り方”を取り上げます。
「やりかた」と読みます。
f0228863_12395542.jpg
建築工事の最初に必ず存在するものです。
意識していなくとも、皆さんも見かけたことがあると思いますよ。
右の写真をご覧ください。
これは土の掘削を始めていますが、
敷地の周囲にグルッとまわっている木の板の事を遣り方と呼びます。

遣り方の目的が「立入禁止」だと思っている方もいらっしゃるようですが、
そうではありません。
もっともっと重要な役割を担っています。
建築工事において、最も重要だと言っても過言ではありません。

想像してみてください。
皆さんが基礎工事を行うことになりました。
施工図面をもとに敷地の土を掘削します。
この際、何を基準に工事を進めると、図面通りの正確な施工を行うことができるでしょうか?

「地面に掘削するラインを引く」が、ほとんどの方が思い描く答えでしょう。
確かに、『ほぼ』正確に掘削できるかもしれませんが、精度を求めることはできません。
また掘削するとこのラインが消えてしまうことも悩みです。

そこで登場するのが、遣り方です。
木の板を敷地周囲にまわして、板の上に糸を張っています。
もともと空中にある糸を基準にしていますから、掘削によって土がなくなっても確認ができます。
また、板に正確なラインを記入することで、いつでも掘削ラインや通り芯(基礎の中心)の確認ができます。
f0228863_13345433.jpg

さらに遣り方の優れている点は、高さの確認まで出来るように工夫されていることです。
敷地周囲にまわっている板は水平に施工されていて、基準点から一定の高さとなっています。
よって、板の上に通した糸から下方向に測定すると施工途中で高さの確認ができます。

「掘削する深さは糸から930㎜下がったところ」とか「基礎の一番高いところは糸から100㎜下がったところ」
などと確認ができます。
基礎全体で、施工する部位を糸から同じ寸法下がった高さにあわせることによって、この部位の水平が確保されます。
このように一つ一つの部位を水平にあわせることで、最終的に基礎全体の水平を実現しています。
f0228863_13335254.jpg

このように、遣り方を基準として、基礎の位置や高さを決定して施工します。
つまり建物の位置や高さは、遣り方によって決まってしまうのです。
立入禁止と間違ってしまうようなあの板が、非常に重要な理由はここにあります。

ちなみに、敷地周囲にぐるりとまわす板の事を『貫(ぬき)』と呼びます。
「貫の高さは、基礎天端からいくつ上がり?」なんて質問がきたら、ビクッとしてしまいますね。(笑)






ヘーベルハウス多摩支店HPです。このブログのほか様々な情報が載っています。
是非一度ご覧下さい。

f0228863_1385044.gif

[PR]
by sekou-kanri | 2010-07-19 13:59
<< 基礎現場の丸いもの? 建物に仕掛けられた“トラップ” >>